2018-01-01から1年間の記事一覧

人肌の温度ぐらいの一日

‪朝方からずっと不規則な間隔をもって家が小刻みに揺れている‬テレビの調子が悪くこれもまた不規則な間隔をもって画がざらついている ‪不安な律動の中で、午後、手紙をしたためていた‬‪健康かと尋ね、わたしは健康だ‬と勝手に答えたが‪実のところ今風邪を引…

夜はネオン色

夜は、わたしに同期してゆれていた、見えない手元の虹までも 流行りの顔たち、みんな桃太郎飴みたいだな、なんてことを雑踏の中で思う 冬を忘れるように朝を忘れたら本物の夜だよ、昨冬は、夏のことなどすっかりと忘れていたから越せたのだと思う、今夏のこ…

名刺の裏

白湯は古いぬいぐるみの匂いがする、しんと絵を観る、寿司とピザは似ている、書店員思うなぜこんなに紙しかないと、日々を紙で埋めている、檸檬のようなオムライス、瘡蓋のような月、周囲は真っ白に赤らんでいた。夜は私を修復してくれているのであって、決…

わたしの金属部分

人生って 人生ゲームだ!そう、思います。 それは最近、私に妙な自信が付随しているからであり、 さて、様々なやさしさやいじわるにも受動的な心持ちで、Aボタン、Bボタン、↑、↓、でわたしは能動的なものを機械的に感じて、わたしがああいう発言をしたから偶…

つづかないということ

‪近頃 宇宙について考える 考えてしまう‬ ‪考えども考えども 考え尽きることがない ‪どこまでも続き過ぎていることに 脳みそが追いついていかなくて あたまが後ろに落っこちそうになる なぜならわたしはどこまでも続かないから‬ ‪永遠は強大で 今にも吸収さ…

夢の曲線をなぞる

マシュマロの現実離れした甘さと、あの不確かな固さは、他人の夢を食べているみたいで気持ちが悪い、悪夢ではなくて叶わなそうな夢。 それらが詰まった一袋、いつだって純白だった。 美しいね、カテナリー曲線のようだよ、嫋やかで、角が立つことがない。 商…

優しさ全て弱さではありませんように

一見おとなしいし、確かにおとなしいのだけれど、実は静かにおとなしくない人が好き、そういう人になりたい。 やさしいねと言われるたびにその言葉が違和となり身体の全てに詰まって血液が壊されそう、わたしはやさしくなくいじわるなのだほんとうは。 弱さ…

理由なく悲しむのは悲しいことではないのだから

‪急にお母さんのことを思い出すみたいにふと悲しくなることがあるのだけれど、悲しみの理由が分からなくて、でもそれはきっと芳香を放っていると思えるのは、まるでお母さんみたいだからなのだろうと考えている。 郷愁にも似た馥郁たる匂いで湛えられた私の…

未来に放り続けているんだろうな

最近はというと、仕事を二つ掛け持ちして自ら怒涛を起こすも飲み込まれまいと奮闘している。 川上未映子の新刊、ウィステリアと三人の女たち をついに買い、嬉しくて嬉しくて、もったいないからもったいぶって読んでいる。 彼女の文書は石のように手強く、時…

浅はかな深さ

なぜこんなに紙しかない。 そう憤りながら働く書店員の毎日を、わっせわっせと紙たちで埋めている。 猫がにゃごにゃごと何かを言うので、私もごにゃごにゃと何かを言い返す。ちゃおちゅーるを持ち歩いているから、私は猫に対して今とても自信がある。 このま…

夢が年老いていく

‪今日は良い夢を見られそうだけれども悪い夢も付随してきそうな予感がしている。‬ ‪「わたしは付随したくない」そうメモに書いてあったのだけれど覚えていない。‬ ‪不安定な気持ちのせいで、すべてが傾いてしまって、今見ているものは縦なのか横なのか、前な…

脱出孔の発光

脱出孔がまだまだ光を放っていないので、それは塞がったまま、つまりは閉じ込められたままなのだけれど、そのままにするわけにはいかず無論、生きる。 殻に閉篭もるのではなく、閉じ込められているという言抜けで取り繕う。せっかく空いた孔穴も余計に繕って…

2018/03/26 (月)

色の違う桜が離れ離れに‪向き合う様が美しかった。その真ん中を通って帰った。‬桜の真ピンク、桜の真っ白、葉の真緑、春はすべてができたてでほかほかとしている。そしてモノクロからカラーに切り替わったように色が増大して甚だ忙しなく、‪得てして春は不得…

2018/02/21 (水)

わたしは今、格好のつかない風邪を引いている。つまりは、ただの風邪を引いている。インフルエンザだったらまだしっかりと休めて、しっかりと気にかけてもらえるけれど、ただの風邪だから、ただいつもより少し遅く起きて、ただいつもより優しいご飯を食べて…

2018/02/14 (水)

起きしなに、「今日は風が多いな」と感じた。窓の微量な動きを認めたので、きっとそうだと思った。 無論、風吹き荒ぶ中、借りたdvdを返すべく歩いた。直前まで観ていた「夜は短し歩けよ乙女」のワンシーンに、風に吹き飛ばされそうになりながらも歩く黒髪の…

2018/2/11 (日)

ちっとも予定のない休日の、クタクタに布団と一体化する午前中らしいこの体たらくに鞭打って分裂、取り敢えず散歩に出た。 家のパソコンでやらなければいけない作業は家から溢れるほどにあるのだけれど、皮肉にも家にいては進まないから、困却の末いつも散歩…

2018/02/02 (金)

今日は、演劇鑑賞すべく渋谷へ赴いた。青柳いづみの絶叫と、川上未映子の少女の、生々しい内側をみた。 "先端で、さすわさされるわそらええわ"音響、照明、映像、衣装、大道具、小道具、川上未映子の少女たち、青柳いづみの声、目線、曲線、一挙手一投足、肌…

2018/01/26 (金)

遅ればせながら、‪People In The Box / Kodomo Rengou を購入した。 ‬ 昨年の誕生日に友人から頂いたポータブルcdプレイヤーで、期待値を0以下にして、しゃがみながら聴いた。 正直あまりにもよい。4曲目あたりでぐったりとした。いちいち満ちているから、よ…

2018/01/23 (火)

変わったね、変わっちゃったね、と言うので、変わらせてよ、何者でもないものになって、そしたら何者にだってなれるのに、と言いました。 貴方が事実だと信じてやまなかったものが虚構だったり、それは裏切りだったり、常だと思っていたものも、気付かれない…

2018/01/21 (日)

東京とはなんだ、どうして皆んな東京に群がるの、飢えた獣のように何を生かして何を排斥しようとしているの、私が今やっていることは東京でなくても出来るはずなのだけれど、 東京に関わっていたいだけなのかもしれないね、きっとね、他人の憧れに便乗して、…