2018/02/02 (金)

今日は、演劇鑑賞すべく渋谷へ赴いた。
青柳いづみの絶叫と、川上未映子の少女の、生々しい内側をみた。

"先端で、さすわさされるわそらええわ"
音響、照明、映像、衣装、大道具、小道具、川上未映子の少女たち、青柳いづみの声、目線、曲線、一挙手一投足、肌、息継ぎ、すべての起伏の線は烈しく、その線の丸みに添われたと思った途端、矢庭に鋭利な先端に長い間刺され続け、瀕死寸前のところをまた丸みに救われる、まさしくその劇場は激情であった。

"すべて真夜中の恋人たち"

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「なんでもないのに、涙がでるほど、きれいです」そういうことが幼少期からよくあって、日常的に人知れず涙を堪える。だから、厄介な情緒不安定に思われるのだが、父親はよく私に「悲しいのか」と聞いた。何故悲しいと決めつけるのかよく分からなかった。当時の私は、私の日常が皆の日常だと、まだ信じきっていたからだった。

だから私は今日、青柳いづみが下手から出てきた瞬間に泣き、長科白の後のハアという息漏れに泣いた。

涙をほったらかしにして見入ったせいで、唇を舐めたらしょっぱい。だから、目と唇の間に流れる二本の川もきっとしょっぱい。きっと、海は近いのだろう。鹹味によって自分の末広がりを信じようと思った。

様々な起伏を自分のオシロスコープでみた、みえた、みることが出来た。感情の起伏をありがとう、と、最近すべてのものに思うよ、ありがとう。

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