海中 ふみ子

fumiko watanaka

2018/01/30 (月)

路肩に、淀んだ高層雲の一部が欠けて落っこってきちゃいました、みたいな、濁りかけた雪の集塊が点在している。

雪国育ちの私は18回もの豪雪の襲来に立ち会ってきたから、雪を見ても、雪かきしなくちゃ、転ばぬよう優しく歩かなくちゃ、全く手が焼けるなあ、この熱々の手で溶かしてしまいたい、と思うのだが、こちらの人々は、この褪せ果てたやつらを見ても美しいと思うのだろうか。白白と落ちたての、白皙な肌の頃と同じくらい儚くて奇麗だなんて言えるのだろうか。陰と陽、黒と白、夜と朝、やはり前者たちが悪役に回されてしまうのは何故だろう。日陰や昏黒を愛して何が悪いのだろう。それらによって光を愛せているというのに。いや、それよりも模糊を許してほしい。なんでもかんでも白黒つければいいってもんでもないよ。

『地元はどうだ。寒いか。痛いか。相変わらず雪に困らされているか。上京すると、「やはり寒さには強いのか」と言われるから気を付けろ。此方の人々は北国育ちの私達を変温動物と思っている。決して身体はその地に適応しないしちっとも進化しない、ただ着込んでいるだけなのにな。焼いて食われないよう用心しろよ』

今年の冬は、周りの高揚と、自分の平熱との差で、一層体感温度が下がっている気がする。